フォームの離脱率を改善する方法とは?主な原因と具体的な対策を解説
フォームまで読者を集められても、入力の途中で離脱されてしまえば成果にはつながりません。
フォームの離脱率は、コンバージョン改善において特に見落とされがちな指標です。
この記事では、フォームの離脱率の考え方から、離脱が起きる主な原因、計測方法、具体的な改善方法までを解説する内容です。
入力フォームの改善施策全般についてはEFO(エントリーフォーム最適化)とはでも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
フォームの離脱率とは
フォームの離脱率とは、フォームへの入力を開始した読者のうち、送信を完了せずに離脱した割合を指します。
- 離脱率の基本的な計算方法
- 目安となる数値の考え方
数値の正しい捉え方を理解することが、改善の第一歩になります。
離脱率の基本的な計算方法
フォームの離脱率は「(入力開始者数-送信完了者数)÷入力開始者数」で計算されます。
入力開始率や送信完了率と混同されやすいものの、それぞれ見ている段階が異なる指標です。
たとえば入力開始者が100人で送信完了者が40人の場合、離脱率は60%と算出されます。
どの段階で離脱が発生しているかを正確に把握するには、この計算式を理解しておくことが欠かせません。
目安となる数値の考え方
フォームの離脱率は、業種や商材、入力項目数によって適正水準が大きく異なります。
一律の目標値を追うのではなく、自社の過去データとの比較で改善度合いを判断することが現実的です。
たとえば入力項目が多いBtoB向けの問い合わせフォームは、シンプルな会員登録フォームより離脱率が高くなる傾向にあります。
業界平均を参考にしつつも、自社フォームの特性を踏まえた目標設定を心がけましょう。
フォームの離脱率が高くなる主な原因
フォームの離脱率が高くなる背景には、いくつかの共通した原因があります。
- 入力項目が多い・複雑
- エラー表示が分かりにくい
- 個人情報の入力に不安がある
- スマホでの操作性が悪い
原因を正しく特定することが、効果的な改善策につながります。
入力項目が多い・複雑
入力項目が多いほど、読者は途中で入力を諦めやすくなります。
特に任意項目まで入力を求められると、心理的な負担が大きくなり離脱の原因になります。
たとえば「ふりがな」や「部署名」など、対応に必須ではない項目が多いフォームは離脱率が高くなる傾向です。
本当に必要な項目だけに絞り込むことが、離脱率改善の基本になります。
エラー表示が分かりにくい
入力内容に誤りがあった際、エラーの原因が分かりにくいと読者はそこで離脱してしまいます。
送信ボタンを押した後にまとめてエラーが表示される仕様は、特に離脱を招きやすい典型例です。
たとえば電話番号の入力形式が指定と異なるだけで送信できず、原因が分からず離脱するケースも珍しくありません。
入力中にリアルタイムでエラーを表示する仕組みが、離脱防止には効果的です。
個人情報の入力に不安がある
個人情報を入力する際、セキュリティへの不安から入力をためらう読者も一定数存在します。
プライバシーポリシーへのリンクやSSL対応の明示がないフォームは、特に不安を感じさせやすい傾向です。
たとえば「入力情報は厳重に管理されます」といった一文を添えるだけでも、不安の軽減につながります。
信頼性を示す情報を適切に配置することが、離脱率の改善に寄与します。
スマホでの操作性が悪い
スマートフォンからのアクセスが多いサイトでは、スマホでの操作性が離脱率に直結します。
入力欄が小さい、キーボードの種類が適切でないといった問題は、スマホユーザーの離脱を招きます。
たとえば数字入力欄をタップした際に通常のキーボードが表示されると、入力の手間が増え離脱につながるケースです。
PC表示だけを基準に設計すると、スマホでの離脱要因を見落としがちです。
フォームの離脱率を計測する方法
離脱率を改善するには、まず正確に数値を計測できる状態を整える必要があります。
- GA4でのイベント計測
- ヒートマップツールの活用
数値の裏付けがあることで、改善の優先順位を客観的に判断できます。
GA4でのイベント計測
GA4では、フォームの入力開始・各項目の入力・送信完了をイベントとして計測できます。
ページ全体のPV数だけでなく、フォーム内の行動を段階ごとに可視化できる点がメリットです。
たとえば入力開始イベントと送信完了イベントを比較すれば、フォーム単体の離脱率を正確に算出できます。
計測の設計段階から、どの項目で離脱が起きているかを把握できるよう設定しておくことが重要です。
ヒートマップツールの活用
ヒートマップツールを使うと、読者がどの項目でマウスの動きを止めているか、どこでページを離れたかを視覚的に確認できます。
数値データだけでは分からない、読者の迷いや戸惑いを把握しやすくなる点が特徴です。
たとえば特定の入力欄付近でカーソルの動きが止まっている場合、その項目に何らかの分かりにくさがあると推測できます。
数値分析とヒートマップを組み合わせることで、離脱原因の特定精度が高まります。
離脱率を改善する具体的な方法
原因が特定できたら、優先順位の高いものから具体的な改善策を実施していきます。
- 入力項目を必要最小限に絞り込む
- 入力補助機能を導入する
- 確認画面のステップを減らす
- 信頼性を示す情報を追加する
費用をかけずに実施できる施策から着手するのが基本です。
入力項目を必要最小限に絞り込む
本当に必要な情報だけに項目を絞り込むことで、入力の負担を減らせます。
任意項目は思い切って削除するか、フォーム送信後のフォローアップで確認する運用に切り替えることも検討しましょう。
たとえば「会社名」や「部署名」を必須から任意に変更するだけでも、離脱率が改善するケースがあります。
項目数の削減は、比較的少ない工数で効果を見込める施策です。
入力補助機能を導入する
郵便番号からの住所自動入力や、入力例の表示といった補助機能は、離脱率の改善に直結します。
入力の手間を減らすほど、途中で諦める読者は少なくなるはずです。
たとえば電話番号欄にハイフンの有無を明記するだけでも、入力ミスによる離脱を防げます。
小さな工夫の積み重ねが、離脱率全体の改善につながります。
確認画面のステップを減らす
入力・確認・完了と複数のステップに分かれているフォームでは、ステップ数が多いほど離脱率が高まる傾向があります。
確認画面を省略し、入力から送信完了までを1ページで完結させる設計も選択肢の一つです。
たとえば確認画面を廃止し入力画面に確認機能を統合したところ、完了率が改善した事例も報告されています。
自社のフォームに確認画面が本当に必要かどうかを見直してみましょう。
信頼性を示す情報を追加する
プライバシーポリシーへのリンクや、SSL対応であることの明示は、読者の不安を軽減します。
個人情報を入力する読者にとって、安全性への不安は離脱の大きな要因の一つです。
たとえば「お預かりした情報は個人情報保護方針に基づき管理いたします」といった一文をフォーム付近に追加する方法があります。
信頼性を示す情報は、費用をかけずに実施できる改善策の一つです。
離脱率改善の効果を検証する方法
施策を実施した後は、実施前後で数値がどう変化したかを検証する必要があります。
- 実施前後の数値を比較する
- A/Bテストで効果を切り分ける
感覚的な判断ではなく、データに基づいた検証を行うことが重要です。
実施前後の数値を比較する
施策の実施前後で、離脱率や送信完了率がどう変化したかを比較します。
期間を区切って数値を記録しておくと、季節変動などの外的要因との切り分けがしやすくなるでしょう。
たとえば「離脱率が65%から48%に改善」のように、変化量を具体的な数値で残しておくと社内共有もしやすくなります。
効果測定の結果は、次の改善サイクルの計画づくりにも役立ちます。
A/Bテストで効果を切り分ける
複数の施策を同時に実施すると、どれが効果を生んだのか判断できなくなります。
A/Bテストで1つの要素だけを変更して比較することで、施策ごとの効果を正確に把握できます。
たとえば入力項目数だけを変えた2パターンのフォームを用意し、離脱率の差を比較する方法が代表的です。
1施策ずつ検証を重ねることで、根拠のある改善を積み上げられます。
フォームの種類による離脱率の違い
フォームの目的によって、離脱率の傾向や重視すべき改善ポイントは異なります。
- 問い合わせフォーム
- 資料請求フォーム
- 会員登録フォーム
フォームの種類に合わせて、優先すべき改善策を検討することが大切です。
問い合わせフォーム
問い合わせフォームは、検討度合いの高い読者が利用する一方で、入力項目が多くなりがちなフォームです。
自由記述欄が必須になっていると、内容をまとめる負担から離脱が起きやすくなります。
たとえば「お問い合わせ内容」を任意項目に変更するだけでも、離脱率の改善につながるケースです。
対応に本当に必要な項目だけに絞り込むことをおすすめします。
資料請求フォーム
資料請求フォームは、検討初期の読者が利用することが多く、心理的なハードルの低さが重要です。
項目数が多いと、まだ関心が浅い段階の読者ほど離脱しやすくなります。
たとえば氏名とメールアドレスのみで資料を届けられる設計にすると、離脱率の改善が期待できます。
会社名や役職などの詳細情報は、フォローアップ時に確認する運用も検討しましょう。
会員登録フォーム
会員登録フォームは、継続的な関係構築の入り口となるため、入力の手軽さがとりわけ重要です。
パスワード設定などのセキュリティ要件が、離脱率を高める要因になることもあります。
たとえばSNSアカウントとの連携登録を用意すると、パスワード入力の手間を省き離脱率を下げられるでしょう。
登録後のメリットを明確に伝えることも、離脱防止の後押しになります。
離脱率改善に取り組む際の注意点
離脱率の改善を進める際には、成果を焦るあまり陥りやすい注意点がいくつかあります。
- 過度な項目削減のリスク
- デザイン変更が与える影響
- 短期的な数値だけを追わない
離脱率だけでなく、その先の商談化率や成約率まで含めて評価することが大切です。
過度な項目削減のリスク
入力項目を減らすほど離脱率は下がりやすくなりますが、削減しすぎると別の問題が生じます。
たとえば問い合わせ内容の詳細を聞かずに項目を削ると、営業担当者が対応時に確認すべき情報が不足し、対応の質が下がりかねません。
離脱率の改善と、その後の対応品質のバランスを見ながら項目を判断することが重要です。
削減する項目は、入力のしやすさと社内の業務効率を両立できる範囲で選びましょう。
デザイン変更が与える影響
フォームの見た目を変更する際は、サイト全体のブランドイメージとの整合性にも配慮が必要です。
入力のしやすさを優先するあまり、サイト全体のトーンから浮いたデザインになってしまうケースもあります。
たとえばボタンの色や配置を大きく変える場合は、他のページとの一貫性も踏まえて調整するとよいでしょう。
デザイン担当者と離脱率改善の担当者が連携しながら進めることで、使いやすさと見た目の両立がしやすくなります。
短期的な数値だけを追わない
離脱率が改善しても、その後の商談化率や成約率が下がっていては本末転倒です。
フォーム単体の数値だけでなく、その先のビジネス成果まで含めて効果を確認する視点が欠かせません。
たとえば項目削減で離脱率は下がったものの、確認すべき情報が不足し商談化率が下がった、というケースも起こり得ます。
離脱率はあくまで途中指標の一つであることを意識しておきましょう。
内製と外注どちらで進めるべきか
離脱率の改善は、社内での対応と外部への依頼、どちらでも進めることができます。
- 内製で対応する場合の特徴
- 外注する場合の特徴
自社のリソースや課題の複雑さに応じて、適した方法を選びましょう。
内製で対応する場合の特徴
社内にWebの知見がある担当者がいる場合は、内製での対応が可能です。
外部への依頼費用がかからず、小さな改善をスピーディーに繰り返せる点がメリットになります。
たとえば入力項目の削減やエラーメッセージの文言修正など、軽微な改修であれば内製でも十分対応できます。
一方で専門的な計測設計や大掛かりな改修になると、知見やリソースの不足が課題になりやすい傾向です。
外注する場合の特徴
専門会社への依頼は、専門的な知見を活用しながら効率的に改善を進められる方法です。
自社にノウハウが少ない場合でも、実績に基づいた改善提案を受けられる点が魅力になります。
たとえば計測設計から原因分析、改善提案までを一貫して依頼できる会社であれば、着実な改善が期待できます。
費用が発生するため、想定される効果と費用のバランスを事前に見積もっておくことが大切です。
フォームの離脱率に関するよくある勘違い
離脱率の改善に取り組む際、正しく理解されていないまま進めてしまうケースも少なくありません。
- 「離脱率0%を目指すべき」という勘違い
- 「デザインを整えれば十分」という勘違い
誤解を解いたうえで取り組むことで、より現実的な改善につなげられます。
「離脱率0%を目指すべき」という勘違い
フォームの離脱率を0%に近づけることが目標だと考えてしまうケースがあります。
実際には、フォームに到達しても検討段階にとどまる読者も一定数存在するため、離脱率を完全にゼロにすることは現実的ではありません。
たとえば比較検討段階の読者は、複数社のフォームを開いて条件を確認するだけで送信しないことも珍しくありません。
自社の過去データを基準に、無理のない改善目標を設定することが大切です。
「デザインを整えれば十分」という勘違い
見た目をきれいに整えるだけで離脱率が改善すると考えてしまうケースも見られます。
実際には、入力項目の数やエラー表示の分かりやすさなど、機能面の改善も同じくらい重要です。
たとえば見た目は美しくても、必須項目が多く入力に時間がかかるフォームでは離脱率は改善されません。
デザインと機能の両面から見直すことが、離脱率改善の本来のあり方です。
フォームの離脱率改善でよくある失敗
| 失敗例 | 内容 |
|---|---|
| 複数施策を同時に変更する | どの施策が効果を生んだのか判断できなくなる |
| 離脱率だけを見て原因分析をしない | 数値の変化だけを追い、根本原因の把握を省略してしまう |
| PC表示だけを基準に設計する | スマホでの操作性の悪さを見落としてしまう |
まとめ
フォームの離脱率は、入力開始者のうち送信を完了しなかった割合を示す指標です。
入力項目の多さやエラー表示の分かりにくさなど、離脱の原因を正しく特定したうえで、優先順位の高い施策から着手しましょう。
フォーム全体の改善施策については、EFO(エントリーフォーム最適化)とはもあわせてご確認ください。
A. 「(入力開始者数-送信完了者数)÷入力開始者数」で計算します。入力開始者100人のうち送信完了者が40人であれば、離脱率は60%です。
A. 入力項目の多さ、エラー表示の分かりにくさ、個人情報入力への不安、スマホでの操作性の悪さなどが代表的な原因です。まずは自社フォームがどの原因に当てはまるかを確認しましょう。
A. あります。入力項目を必要最小限に絞り込む、プライバシーポリシーへのリンクを追加するといった施策は、大きな費用をかけずに実施できます。まずはこうした施策から着手するのがおすすめです。
A. フォームの離脱率は、EFO(エントリーフォーム最適化)の成果を評価するための代表的な指標です。EFOは離脱率を改善するための施策全般を指し、離脱率はその効果を測る物差しという関係になります。
A. 一概にはいえません。離脱率の高さだけでなく、そのフォームの流入数や商談化率への影響も踏まえて優先順位をつけることが大切です。流入数が多いフォームから着手すると、改善効果を実感しやすくなります。
A. 施策の規模によって異なりますが、入力項目の削減やエラー表示の改善といった軽微な修正であれば、数週間程度で数値の変化が見え始めることもあります。継続的に計測しながら判断することが大切です。
合同会社dock. 代表。2017年の大学在学時に始めたブログの運営が原点となり、SEO業界でのキャリアがスタート。大学卒業後は上京し、Web系広告代理店でオウンドメディアの責任者として、SEOを通じたリード獲得や、SEOコンサルタントとして上場企業や大手企業の対応も多数経験。フリーランスとしてライターやSEOコンサルタントを経験し、2025年に合同会社dock.を設立。