BtoB企業のSEO対策とは?SaaS・士業・コンサル業向けに解説
SaaS・士業・コンサル業など、形のない商材を扱うBtoB企業ほど「SEOに取り組むべきか」で悩みやすい傾向があります。
広告のように即効性がなく、成果が出るまでの期間も読みにくいためです。
しかし検討期間が長く比較検討が入念に行われるBtoB取引だからこそ、SEOで得た情報接点が受注につながりやすいという特性があるといえるでしょう。
この記事では、BtoB企業向けにSEO対策の基本的な考え方を解説します。
特にSaaS・士業・士業サポート業・代理店・コンサル業といった無形商材を扱う企業に向けて、業種別のポイントもあわせて紹介します。
SEO以外の手法も含めた全体像を知りたい場合は、BtoBマーケティングとはもあわせてご覧ください。
BtoB SEOとは?BtoCとの違い
BtoB SEOとは、法人顧客の獲得を目的として行うSEO対策のことです。
個人消費者を対象とするBtoC SEOと比べて、検討プロセスや評価されるコンテンツの性質が大きく異なります。
| 比較項目 | BtoB SEO | BtoC SEO |
|---|---|---|
| 検討期間 | 数週間〜数ヶ月と長い | 即日〜数日と短いことが多い |
| 購買の意思決定者 | 複数人(現場担当者・決裁者等) | 個人(本人のみが多い) |
| コンテンツの役割 | 比較検討の資料・社内稟議の材料 | 購買意欲の喚起・即時の後押し |
| 検索ボリューム | 専門用語や業種名を含み小さめ | 一般語を含み大きめの傾向 |
| コンバージョン | 問い合わせ・資料請求が中心 | 購入・申込が中心 |
BtoB SEOで重要なのは検索ボリュームの大きさよりも、検討段階に合った情報を届けられているかという点です。
次の章では、BtoB企業がSEOに取り組むべき理由を具体的に見ていきます。
BtoB企業のWeb集客にお悩みの方へ
自社のBtoB商材にSEOがどこまで効果があるか判断できないなら、合同会社dock.へご相談ください。まずはお気軽に無料相談へお申込みください。
無料相談してみる →なぜBtoB企業(無形商材)にSEOが向いているのか
無形商材を扱うBtoB企業には、SEOと相性がよい特徴が複数あります。
ここでは代表的な3つの理由を紹介します。
- 検討期間が長く、比較検討にコンテンツが使われるから
- 決裁者・関係者が複数いて、記事が社内資料として機能するから
- 広告に依存しない中長期の集客資産になるから
これらの特徴を踏まえずに記事を作ってしまうと、検討段階に合わない内容ばかりが増え、成果につながりにくくなります。
検討期間が長く、比較検討にコンテンツが使われるから
無形商材は実物を確認できないため、購入前に情報収集で不安を解消する必要があります。
SaaS・コンサルティング・士業サービスのいずれも、検討期間は数週間から数ヶ月に及ぶことが珍しくありません。
たとえば検討期間中に担当者が10回以上検索を行い、比較検討用の情報を集めるケースも珍しくありません。
その過程で自社の記事が繰り返し接点を持てれば、指名検索や問い合わせにつながりやすくなります。
決裁者・関係者が複数いて、記事が社内資料として機能するから
BtoBの意思決定には、現場担当者・部門責任者・経営層など複数の関係者が関わります。
現場担当者が候補を絞り込む際、わかりやすく整理された解説記事は社内共有資料として使われることも珍しくありません。
たとえば決裁者を含む5人が読む記事を用意しておくことは、社内の意思決定を後押しする材料になります。
広告に依存しない中長期の集客資産になるから
たとえば広告費を月50万円かけても掲載を止めた瞬間に流入が途絶えますが、SEO記事は掲載を続ける限り集客し続けます。
無形商材のBtoB企業は営業リソースが限られていることが多く、広告費だけに依存しない集客チャネルを持つ意味は大きいといえるでしょう。
次の章では、BtoB SEOが向いている企業と、そうでない企業の違いを整理します。
BtoB SEOが向いている企業・向いていない企業
BtoB SEOはすべての企業に等しく効果を発揮するわけではありません。
自社が取り組むべきかどうかを判断する材料として、2つの観点から整理します。
- 向いている企業の特徴
- 向いていない・注意が必要なケース
この判断を誤ると、成果が出にくい状況で施策を続けてしまい、時間とコストを無駄にしかねません。
向いている企業の特徴
顧客の検討期間が長く、指名検索だけでは新規顧客との接点が不足している企業はSEOと相性がよい傾向があります。
またサービス内容が専門的で説明を要する場合、記事コンテンツによって理解を促進できる余地は小さくありません。
たとえば月2本以上の記事を継続できる体制がある企業ほど、SEOの効果を実感しやすい傾向があります。
既に営業経由での受注実績があり、顧客の悩みや検討ポイントを言語化できている企業ほど、コンテンツの質を高めやすい傾向もあります。
向いていない・注意が必要なケース
数ヶ月以内に売上を作らなければならないなど、短期的な成果を最優先する状況ではSEOは不向きです。
SEOは効果が出るまでに一定期間を要するため、即効性を求める場合は広告等の他施策を優先したほうが合理的です。
またターゲットとなる検索ボリューム自体がほとんど存在しない、極めてニッチな商材の場合は、SEO以外の集客チャネルを主軸に据える判断も必要になります。
たとえば月1本も更新できる担当者がおらず、外部委託の予算も確保できない場合は、体制が整うまで優先度を下げる判断も選択肢の1つです。
次の章では、dock.が支援する機会の多いSaaS・士業・士業サポート業・代理店・コンサル業の4業種について、SEOのポイントを個別に解説します。
業種別に見るBtoB SEOのポイント
BtoBと一口にいっても、業種によって検索意図やコンテンツの評価軸は異なります。
ここではSaaS・士業・士業サポート業・代理店・コンサル業・不動産仲介業・製造業・人材紹介業の7つの業種について、それぞれのSEOのポイントを紹介します。
- SaaS企業のSEO対策のポイント
- 士業(税理士・弁護士・社労士等)のSEO対策のポイント
- 士業サポート業(記帳代行・給与計算代行等)のSEO対策のポイント
- 代理店・コンサル業のSEO対策のポイント
- 不動産会社(仲介業)のSEO対策のポイント
- 製造業のSEO対策のポイント
- 人材紹介会社のSEO対策のポイント
業種特有のポイントを押さえずに一般論だけで記事を作ってしまうと、その業種の検討者には響かない内容になってしまいます。
SaaS企業のSEO対策のポイント
SaaS企業のSEOでは、機能名や業界名を絡めた比較検討キーワードへの対応が重要です。
「〇〇(カテゴリ名) ツール 比較」「〇〇 導入 事例」といった検討フェーズのキーワードは、無料トライアルや資料請求への転換率が高い傾向があります。
またSaaSは競合との機能差が伝わりにくいことが多いため、導入前後の業務フローの変化を具体的に描写するコンテンツが有効です。
たとえば料金プラン3つと導入までの流れを明記した記事は、比較検討段階の担当者に選ばれやすくなります。
無料トライアルへの申込みハードルを下げるために、導入にかかる工数や必要な準備物まで具体的に説明しておくことも有効です。
SEOで集客した見込み顧客を契約後まで定着させる考え方は、SaaSマーケティング全体の設計にも直結します。
士業(税理士・弁護士・社労士等)のSEO対策のポイント
士業のSEOでは、地域名を絡めたキーワードと、専門性の高い相談内容を絡めたキーワードの両方を意識する必要があります。
「相続 税理士 〇〇市」のような地域×専門ワードは検索ボリュームこそ小さいものの、問い合わせにつながりやすい傾向があります。
たとえば1つの数字を誤って記載しただけでも、士業は法律や制度を扱うため信頼性を大きく損ないかねません。
執筆者の資格・実務経験を明記し、法改正等の最新情報を反映し続けることが、E-E-A-Tの観点からも重要になります。
制度が変わりやすい分野では、記事の公開日・更新日を明示し、情報の鮮度が伝わるようにすることも信頼性向上につながります。
士業の中でも弁護士事務所に特有のキーワード選定や対策の詳細は、弁護士SEOとはをご覧ください。
士業サポート業(記帳代行・給与計算代行等)のSEO対策のポイント
記帳代行や給与計算代行といった士業サポート業は、税理士事務所や社労士事務所そのものと比べて認知度が低いことが課題になりやすい業種です。
「経理 アウトソーシング 比較」「給与計算 代行 費用」など、業務効率化を検討する担当者が使う実務寄りのキーワードが中心になります。
対応可能な業務範囲や、士業との違い(何を代行でき、何を代行できないか)を明確に説明するコンテンツが選ばれやすい傾向にあります。
たとえば月額料金5万円の内訳や対応スピードなど、発注担当者が比較時に重視する実務情報を具体的に記載することが有効です。
「どこまでを自社で担い、どこからを委託するか」という業務の切り分け方を丁寧に説明することが、他社との差別化にもつながります。
代理店・コンサル業のSEO対策のポイント
代理店やコンサル業は、提供する成果や実績が見えにくいことがSEOにおける最大の課題です。
「〇〇 コンサル 選び方」「〇〇 代理店 比較」など、選定段階のキーワードでは、他社との違いや強みを具体的に説明する必要があります。
たとえば「実績多数」ではなく支援範囲・進め方・料金体系を明示することで、問い合わせ前の不安を解消しやすくなります。
コンサルティングやSEO支援など無形のサービスを扱う企業ほど、実際の支援内容や考え方を発信し、専門性を可視化することが差別化のポイントです。
提供できる価値を数値実績だけで語れない場合は、支援中に実際によく受ける質問や、支援を通じて見えてきた業界特有の傾向を発信することで、専門性を補うことができます。
不動産会社(仲介業)のSEO対策のポイント
不動産仲介業は物件という有形の商材を扱いますが、選ばれるのは「物件」ではなく「仲介してくれる会社」であるという点でBtoB SEOの考え方が応用できます。
「エリア名 賃貸」「エリア名 マンション 売却」など地域と物件種別を組み合わせたキーワードが中心になり、対応エリアを絞るほど競合を避けやすい傾向です。
ポータルサイトへの物件掲載とは別に、自社サイトでコラム記事や物件情報を発信することで、広告費に頼らない反響の入口を確保できます。
不動産SEOに特有のキーワード選定や対策の詳細は、不動産SEOとはをご覧ください。
製造業のSEO対策のポイント
製造業は展示会や紹介営業への依存度が高く、Webからの新規開拓という発想自体がまだ浸透しきっていない業種です。
「〇〇加工 対応」「素材名 加工方法」のように、技術的な条件を組み合わせたキーワードが中心です。
加工事例・技術解説・発注前のFAQといったコンテンツを通じて、展示会では伝えきれない技術力を発信できます。
製造業SEOに特有のキーワード選定や対策の詳細は、製造業SEOとはをご覧ください。
人材紹介会社のSEO対策のポイント
人材紹介会社のSEOでは、求職者と企業という2つの異なる読者に向けたキーワード設計が必要になる点が他業種と異なります。
求職者向けは「〇〇業界 転職 コツ」、企業向けは「〇〇業界 採用 課題」のように、同じ業界名でも検索意図がまったく異なる点に注意が必要です。
たとえば求人媒体への出稿費用は登録者数に比例して膨らみやすいため、広告費に依存しない自社サイトの集客資産としてSEOの価値が高まっています。
人材紹介会社のSEOに特有のキーワード選定や対策の詳細は、人材紹介会社のSEO対策とはをご覧ください。
7つの業種の特徴を整理すると、以下のようになります。
| 業種 | 検索キーワードの特徴 | 重視されるコンテンツ | 主なコンバージョン |
|---|---|---|---|
| SaaS | 機能名・カテゴリ名での比較検討ワード | 導入事例、料金プラン、機能比較 | 無料トライアル、資料請求 |
| 士業 | 地域名×専門ワード(相続・離婚等) | 制度解説、資格・実績の明示 | 相談予約、問い合わせ |
| 士業サポート業 | 業務効率化ワード(アウトソーシング等) | 対応範囲の明確化、料金の内訳 | 見積もり依頼、問い合わせ |
| 代理店・コンサル業 | 選定段階ワード(選び方・比較等) | 支援範囲・進め方・料金体系の明示 | 問い合わせ、無料相談 |
| 不動産仲介業 | 地域名×物件種別ワード(賃貸・売却等) | 物件情報、エリアコラム、相場情報 | 物件問い合わせ、査定依頼 |
| 製造業 | 加工方法×素材ワード(切削・板金等) | 加工事例、技術解説、発注前FAQ | 見積もり依頼、資料請求 |
| 人材紹介業 | 求職者向け×企業向けの両方のワード | 転職ノウハウ、採用課題の解決事例 | 求職者登録、採用相談 |
いずれの業種にも共通するのは、抽象的な訴求ではなく、検討者が知りたい具体的な情報を先回りして提示することです。
無形商材ならではのキーワード選定のコツ
形のある商品と違い、無形商材は言葉だけでサービス内容を伝える必要があるため、キーワード選定の考え方に3つのコツがあります。
- サービス名ではなく「課題」を起点にキーワードを洗い出す
- 比較検討フェーズと情報収集フェーズでキーワードを使い分ける
- 社内の営業・カスタマーサポートへのヒアリングを活用する
これらのコツを押さえずにキーワードを選んでしまうと、検索されても内容が響かず、離脱されやすい記事になってしまいます。
サービス名ではなく「課題」を起点にキーワードを洗い出す
無形商材の見込み顧客は、サービス名を知らない段階から検索を始めることがほとんどです。
たとえば「〇〇コンサル」のようなサービス名起点だけでなく、「〇〇 悩み」など5パターン程度の課題起点キーワードも洗い出すことをおすすめします。
課題起点のキーワードで接点を持ち、記事内でサービス名や解決策を紹介する構成が有効です。
比較検討フェーズと情報収集フェーズでキーワードを使い分ける
「〇〇とは」のような情報収集フェーズのキーワードと、「〇〇 比較」「〇〇 選び方」のような比較検討フェーズのキーワードでは、読者が求める内容が異なります。
情報収集フェーズの記事では基礎知識をわかりやすく解説し、比較検討フェーズの記事では具体的な判断材料を提供するという役割分担を意識します。
たとえば1つの記事に両方の内容を詰め込むと、どちらの読者にも中途半端な印象を与えてしまうため注意が必要です。
社内の営業・カスタマーサポートへのヒアリングを活用する
見込み顧客が実際にどのような言葉で悩みを表現しているかは、キーワードツールだけでは把握しきれません。
たとえば月10件寄せられる問い合わせ内容や商談中の質問は、実際の検索ニーズに近い一次情報です。
社内でヒアリングを行い、そこで出てきた表現をキーワード選定や見出し作成に反映することで、より読者の検索意図に沿った記事を作成できます。
BtoB SEOの進め方(基本ステップ)
BtoB SEOを実際に進める際は、以下の5つのステップで取り組みます。
- ステップ1.ターゲットと検索意図の整理
- ステップ2.キーワード・トピッククラスターの設計
- ステップ3.コンテンツ制作
- ステップ4.内部リンク・回遊導線の設計
- ステップ5.効果測定・改善
それぞれの内容を押さえていないと、記事を作っても成果につながりにくくなります。
ステップ1.ターゲットと検索意図の整理
まず、どの業種・どの役職の担当者に読んでほしい記事なのかを明確にします。
たとえば同じ「SEO対策」というテーマでも、現場担当者向けと経営層向けの2パターンで求める情報の粒度が異なります。
ターゲットが検索する際の悩みや目的を具体的に想定できているかどうかで、以降のステップの精度が左右されるでしょう。
ペルソナを明確にする際は、役職・業務範囲・決裁権の有無まで具体的に設定しておくと、後のキーワード選定がぶれにくくなります。
ステップ2.キーワード・トピッククラスターの設計
ターゲットが検索しそうなキーワードを洗い出し、関連性の高いテーマごとにグループ化します。
1つの中心的なテーマ(ピラー)に対して、関連する複数の記事(スポーク)を内部リンクでつなぐ設計が基本です。
たとえば同じ検索意図の記事が3本並立していても、クラスター設計を先に行えば「カニバリゼーション」を防げます。
業種特化のBtoB SEOでは、業種名そのもののキーワードだけでなく、業界特有の課題や用語を絡めたキーワードまで洗い出すことが重要です。
あわせて、キーワードごとにどのコンバージョン地点(問い合わせ・資料請求・トライアル申込等)へ誘導するかをあらかじめ差別化しておくとよいでしょう。
記事ごとの役割が明確になり、成果測定もしやすくなります。
ステップ3.コンテンツ制作
設計したキーワードとテーマに沿って、実際の記事を制作します。
検索上位の競合記事が扱っている見出しと文字数を調査し、内容の抜け漏れや情報の薄さがないかを確認したうえで執筆することが重要です。
たとえば支援先50社で見えてきた傾向のように、一般論だけでなく実務に基づいた具体的な記述を盛り込む必要があります。
執筆者や監修者に業界経験者が関わることで、記事の信頼性と専門性を高められます。
ステップ4.内部リンク・回遊導線の設計
記事同士を内部リンクでつなぎ、読者が関連情報にたどり着けるようにします。
特にBtoBは検討期間が長いため、1回の訪問で終わらせず、複数の記事を読み進めてもらう回遊導線が重要になります。
記事の最後には、問い合わせや資料請求につながる導線(CTA)を必ず設置してください。
たとえば1記事あたり3本のリンクを用語解説記事から比較記事、比較記事から事例記事へと段階的に誘導するリンク設計を意識します。
ステップ5.効果測定・改善
公開後は検索順位や流入数だけでなく、問い合わせ・資料請求への貢献度も含めて効果を測定します。
たとえば単月ではなく3ヶ月単位で数字を見るなど、中長期の視点で改善を続けることが求められます。
検索順位が伸び悩んでいる記事は、競合記事との見出し構成や情報量の差を再調査し、加筆・リライトによって改善を図るとよいでしょう。
次の章では、BtoB SEOを成功させるために意識すべきポイントを紹介します。
BtoB SEOを成功させる3つのポイント
BtoB SEOで成果を出している企業には、共通する取り組み方があります。
ここでは特に重要な3つのポイントを紹介します。
- 検索ボリュームよりコンバージョンへの近さを優先する
- 専門性の高さを一次情報で示す
- 中長期の運用体制を確保する
これらのポイントを意識しないまま記事を量産しても、成果につながらない施策になってしまいます。
1つ目:検索ボリュームよりコンバージョンへの近さを優先する
BtoBのニッチなキーワードは検索ボリュームが小さいものが大半です。
ボリュームの大きさだけで優先順位をつけると、問い合わせにつながりにくい記事ばかりが増えてしまいます。
たとえば月間検索数10のキーワードでも、コンバージョンに近い検討段階のキーワードを優先することが重要です。
2つ目:専門性の高さを一次情報で示す
BtoBの検討者は、一般的な情報だけでは意思決定に踏み切れないことが多くあります。
dock.でも、コンサルティングの現場でクライアントから「他社の記事はどこも同じような内容で判断材料にならなかった」という声を聞くことが少なくありません。
たとえば支援先100社で見えてきた自社ならではの気づきを盛り込むことが、他社との差別化につながります。
3つ目:中長期の運用体制を確保する
BtoB SEOは効果が出るまで一定の期間がかかるため、短期間で成果が出なくても継続できる体制が欠かせません。
たとえば競合の少ない領域でも、安定した流入に育つまでには6ヶ月以上かかることもあります。
社内でリソースを確保できない場合は、外部のSEOコンサルや制作会社と役割分担しながら運用する選択肢も検討してみてください。
次の章では、BtoB SEOでよくある失敗を紹介します。
BtoB SEOでよくある失敗
BtoB SEOに取り組む企業が陥りやすい失敗には、代表的な3つのパターンがあります。
- 検索ボリュームの大きいキーワードだけを狙ってしまう
- 記事を作って終わりにしてしまう
- 一般消費者向けの内容をそのまま流用してしまう
こうした失敗パターンを知らずに進めると、時間をかけて作った記事が成果につながらないまま埋もれてしまいます。
検索ボリュームの大きいキーワードだけを狙ってしまう
「SEO対策」のような一般的なキーワードは検索ボリュームが大きい一方競合も多く、上位表示までに長い時間がかかります。
またボリュームが大きいキーワードほど検索意図が広く、必ずしも自社の見込み顧客が検索しているとは限りません。
たとえば月間検索数1万のキーワードでも、検索者が誰で何を目的に検索しているかを合わせて判断する必要があります。
記事を作って終わりにしてしまう
記事を公開した時点で満足し、その後の効果測定や改善を行わないケースも少なくありません。
たとえば公開直後は圏外でも、3ヶ月かけて競合との比較や加筆を繰り返すことで順位が上がっていくのが一般的です。
公開後も定期的に見直す運用体制を最初から組み込んでおくことが重要です。
一般消費者向けの内容をそのまま流用してしまう
BtoC向けの記事作成のノウハウを、そのままBtoBのコンテンツに当てはめてしまう失敗もよく見られます。
感情に訴える表現や即断即決を促す表現は、複数人で慎重に検討するBtoBの購買行動とは相性がよくありません。
たとえば決裁者を含む5人が社内で説明・共有できるだけの根拠と具体性を備えた情報が、BtoBの読者には求められます。
BtoB SEOで成果が出やすいコンテンツの型
BtoB SEOでは、検討段階に合ったコンテンツの型を用意することが成果につながります。
ここでは代表的な4つの型を紹介します。
- 比較記事(〇〇 比較・〇〇 おすすめ)
- 事例記事(導入事例・成功事例)
- お役立ち資料・ホワイトペーパー
- 用語解説記事(〇〇とは)
型を意識せずに記事を作ると、検討段階に合わない内容になり、読者の離脱を招いてしまいます。
比較記事(〇〇 比較・〇〇 おすすめ)
複数の選択肢を比較検討している担当者に向けた記事です。
たとえば料金・機能・サポート体制など5つの比較軸を明確にし、自社と他社を公平に並べると読者の信頼を得やすくなります。
自社に都合のよい比較だけを行うと不信感につながるため、選定基準そのものを解説する構成が有効です。
事例記事(導入事例・成功事例)
同業種・類似規模の企業がどのように課題を解決したかを示す記事です。
たとえば「実績多数」ではなく1社の課題設定から解決までのプロセスを具体的に描写したほうが説得力が高まります。
ただし架空の事例を作成することは禁止で、実在する事例のみを扱う必要があります。
お役立ち資料・ホワイトペーパー
記事内で概要を紹介し、詳細情報をダウンロード資料として提供する形式です。
資料請求というアクションを挟むことで、メールアドレス等の連絡先を獲得し、その後の営業アプローチにつなげられます。
たとえば初回訪問時のコンバージョン率が1%未満のBtoBサイトでも、資料請求という中間コンバージョンの用意が有効です。
用語解説記事(〇〇とは)
専門用語や業界特有の概念を解説する記事です。
たとえば検索ボリュームが比較ワードの3倍以上になることもあり、認知段階の読者との最初の接点として機能します。
用語解説記事から比較記事・事例記事へ内部リンクでつなぐことで、認知から検討への流れを作れます。
問い合わせにつながるコンバージョン導線の設計
BtoB SEOは記事を読んでもらうことがゴールではなく、最終的に問い合わせや資料請求につなげることが目的です。
導線設計には、代表的な3つの観点があります。
- 記事内のCTA配置の考え方
- フォーム・資料請求ページの最適化
- 問い合わせ後のフォロー体制
集客できても、これらの導線が整っていなければコンバージョンにはつながりません。
記事内のCTA配置の考え方
CTA(行動喚起)は記事の一番下だけでなく、読者の疑問や不安が解消されたタイミングで挟むと効果的です。
たとえば検討期間が3ヶ月に及ぶBtoBでは、初回訪問でいきなり問い合わせに至らないケースも多くあります。
資料請求やメルマガ登録など、問い合わせより心理的ハードルの低い中間コンバージョンを用意しておくことも有効です。
フォーム・資料請求ページの最適化
せっかく記事で興味を持ってもらえても、問い合わせフォームの入力項目が多すぎると離脱の原因になります。
必須項目を必要最小限に絞り、入力の手間を減らすことがコンバージョン率の改善につながります。
たとえばフォーム到達後の離脱率が50%を超えている場合、原因を確認し改善を重ねることが重要です。
こうしたフォームの入力しやすさを改善する取り組みは「EFO(エントリーフォーム最適化)」と呼ばれています。
記事のアクセス数を増やす施策と同じくらい重要な工程として位置づけられています。
問い合わせ完了後のサンクスページに関連資料へのリンクや次のアクションを提示しておくことも、機会損失を防ぐ工夫の1つです。
問い合わせ後のフォロー体制
問い合わせを獲得した後のフォロー対応が遅い、もしくは画一的な場合、せっかくの見込み顧客を逃してしまいます。
たとえば問い合わせから24時間以内の一次対応が、BtoBの受注確度を大きく左右します。
集客から問い合わせ、その後の商談化までを一貫した設計として捉えることが、BtoB SEOの成果を最大化するポイントです。
費用相場と外注先の選び方
BtoB SEOを外注する場合、費用相場や契約形態は業種特化かどうかにかかわらず大きくは変わりません。
SEO対策全般の費用相場や契約形態の詳細は、SEO対策の費用相場を解説した記事で詳しく紹介しています。
またSEO会社選びで失敗しないためのポイントはSEO会社の選び方の記事で紹介しています。
SEOコンサルの活用を検討している場合はSEOコンサルとはを解説した記事もあわせて参考にしてください。
BtoB特有の観点としては、自社の業種・商材への理解度が高い支援会社かどうかを見極めることが重要になります。
次の章では、内製と外注のどちらで進めるべきかを整理します。
内製と外注、どちらで進めるべきか
BtoB SEOは自社で内製する方法と、外部のSEOコンサル・制作会社に外注する方法のどちらでも進められます。
どちらが適しているかは、社内のリソースと専門知識の有無によって変わります。
- 内製のメリット・デメリット
- 外注のメリット・デメリット
判断を誤ると、体制が整わないまま更新が止まったり、内容の専門性が不足したりするリスクがあります。
内製のメリット・デメリット
内製の最大のメリットは、自社の商材やサービスへの理解が深いメンバーが執筆できる点です。
専門的な内容ほど、外部の人間よりも社内の担当者のほうが正確に書ける場合があります。
たとえば専門人材が0人の状態で内製を始めると、キーワード選定や構成設計でつまずきやすいというデメリットもあります。
また通常業務と並行して記事を作成することになるため、継続的な更新が後回しになりやすい点にも注意が必要です。
外注のメリット・デメリット
外注の最大のメリットは、SEOの専門知識とノウハウを持つプロに任せられる点です。
キーワード調査や競合分析、構成設計といった工程を効率的に進められます。
たとえば発注先が業界知識ゼロの場合、内容の正確性や専門性が不足するリスクがあります。
内製と外注を組み合わせ、専門的な監修は社内が担い、執筆や構成設計は外部に任せるといったハイブリッドな体制を取る企業も増えているのが実情です。
次の章では、効果が出るまでの期間の目安を紹介します。
効果が出るまでの期間の目安
BtoB SEOは、BtoC向けの一般的なSEOと比べて効果が出るまでの期間がやや長くなる傾向があります。
検索ボリュームが小さく専門性の高いキーワードが中心になるため、Googleに評価されるまでに時間を要するためです。
目安としては、記事公開から早くても3ヶ月程度、検索順位が安定して問い合わせにつながり始めるまでには半年から1年程度を見込んでおくとよいでしょう。
短期間で効果が出ないからといって施策を止めてしまうと、それまでの投資が無駄になってしまいます。
実際、当社(合同会社dock.)自身のサイトも、直近3か月の平均掲載順位は45.3とまだ上位表示には届いていません。BtoB・無形商材向けのキーワードは検索需要自体が小さく、成果が出るまでの期間が読みにくいことは自社の数字からも実感しています。
SEOと他のリード獲得施策との使い分け
SEOはBtoBのリード獲得施策の1つであり、唯一の手段ではありません。
ここでは代表的な3つの施策との使い分けを紹介します。
- 広告との違い・使い分け
- 展示会・セミナーとの違い・使い分け
- 複数施策を組み合わせるという考え方
使い分けを意識しないままSEOだけに頼ると、短期的な成果が必要な場面で機会損失につながることがあります。
広告との違い・使い分け
リスティング広告やSNS広告は、掲載を開始すればすぐに流入を得られる即効性が強みです。
一方でSEOは成果が出るまでに時間がかかりますが、掲載を続ける限り中長期的に流入を生み続けます。
たとえば立ち上げから3ヶ月は広告で即効性のある流入を確保しつつ、並行してSEOに取り組むのが一般的です。
時間の経過とともに、SEO経由の流入比率を高めていくという使い分けです。
展示会・セミナーとの違い・使い分け
展示会やセミナーは、対面での接点を通じて短期間で多くの見込み顧客と接触できる施策です。
SEOは自ら情報を探している顧客と接点を持てる一方展示会は自社から積極的に接点を作りに行く施策という違いがあります。
たとえば展示会で獲得した名刺100枚のフォローアップとして、SEO記事コンテンツを活用する組み合わせ方も有効です。
複数施策を組み合わせるという考え方
BtoBのリード獲得では、1つの施策に依存せず複数の施策を組み合わせることが基本になります。
たとえば1本の記事を広告のランディングページや営業資料、メルマガの配信内容など3つの施策に転用できます。
施策ごとに役割を明確にし、コンテンツを使い回す設計を意識することで、限られたリソースでも効率的にリード獲得の全体最適を図れるでしょう。
展示会・広告なども含めた施策全体の比較はBtoBのリード獲得方法とはで詳しく解説しています。
自社の業種に合ったSEO戦略を相談したい方へ
SaaS・士業・代理店・コンサル業など、業種特有の事情を踏まえたSEO戦略が必要なら、合同会社dock.へご相談ください。まずはお気軽に無料相談へお申込みください。
無料相談してみる →FAQ
A. 最も大きな違いは検討期間の長さです。BtoBは複数の関係者が関わり比較検討に数週間から数ヶ月かかるため、コンテンツは購買意欲を即座に喚起するものではなく、比較検討の資料として機能する内容が求められます。
A. 変えるべきです。SaaSは比較検討キーワードや導入事例、士業は地域名と専門ワードの組み合わせ、士業サポート業は業務範囲の明確化、代理店・コンサル業は支援内容の具体化というように、業種ごとに評価されるコンテンツの性質が異なります。
A. 目安として、記事公開から早くても3ヶ月程度、検索順位が安定して問い合わせにつながり始めるまでには半年から1年程度を見込んでおくとよいでしょう。専門性の高いキーワードが中心になるため、BtoCより長く見積もっておく必要があります。
A. 意味があります。BtoBのニッチなキーワードは検索ボリュームが小さくても、具体的な検討段階にある担当者が検索していることが多く、コンバージョンへの近さで見ると価値の高いキーワードであるケースが少なくありません。
A. 必須ではありませんが、自社の業種・商材への理解度が高い支援会社を選ぶと、検討段階に合ったキーワード選定やコンテンツ設計がスムーズに進みやすくなります。費用相場や選び方の基準は他業種向けのSEOと大きくは変わりません。
A. 比較検討キーワードに対応する導入事例やカテゴリ比較の記事が優先度高めです。SaaSは機能差が伝わりにくいため、導入前後の業務フローの変化を具体的に描写するコンテンツが無料トライアルや資料請求への転換率を高めます。
A. 有効です。数値実績が出しにくい場合は、支援の進め方や考え方、よくある相談内容を具体的に発信することで専門性を示せます。抽象的な実績アピールよりも、支援範囲や料金体系を明示するほうが問い合わせ前の不安解消につながります。
まとめ
BtoB企業、特にSaaS・士業・士業サポート業・代理店・コンサル業といった無形商材を扱う企業にとって、SEOは中長期的な集客資産になり得る施策です。
検索ボリュームの大きさだけで判断せず、検討段階に合ったキーワードを業種ごとの特性に沿って設計することが成功の鍵になります。
自社に合ったBtoB SEOの進め方が分からない場合は、まずは無料相談で現状の課題を整理することから始めてみてください。
合同会社dock. 代表。2017年の大学在学時に始めたブログの運営が原点となり、SEO業界でのキャリアがスタート。大学卒業後は上京し、Web系広告代理店でオウンドメディアの責任者として、SEOを通じたリード獲得や、SEOコンサルタントとして上場企業や大手企業の対応も多数経験。フリーランスとしてライターやSEOコンサルタントを経験し、2025年に合同会社dock.を設立。